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バックグラウンド:BALB/c
系統の説明
BALB/c nudeマウスは、Foxn1遺伝子の自然発生的な突然変異(sp/sp)によって、被毛が生えず、胸腺上皮が正常に発育しないことを特徴とする近交系マウスです。この遺伝的変異により、成熟Tリンパ球を欠損しており、T細胞依存性免疫応答が著しく低下しています。
表現型の特徴
ホモ接合体(sp/sp):胸腺および被毛が欠如しており、T細胞の機能が失われているため、同種・異種移植片を拒絶しません。
ヘテロ接合体(sp/wt):一見正常な被毛を有し、免疫系も一部保持していると考えられていましたが、骨髄幹細胞数の減少や胸腺重量の低下といった免疫学的異常が見られます。したがって、観察用には適しておらず、薬物動態・薬効研究での利用が一般的です。
主な研究用途
同種および異種移植モデルとして広く活用
例:ヒト由来腫瘍細胞の増殖・浸潤・転移の評価、および抗がん療法の効果検証
免疫学・遺伝学研究
ウイルス・細菌・寄生虫などの感染メカニズムの解析
皮膚疾患・微生物学関連研究
内分泌学・老年医学分野での応用研究
表現型の検証:
Figure 1. Kinetics of Tumor growth and body weight in mice bearing HGC-27 gastric carcinoma. 5×106 or 1×107 HGC-27 human gastric carcinoma cells were injected subcutaneously into BALB/c nude mice. Tumor volume (Figure A) and body weight (Figure B) were measured at different time points.