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MTT法は、細胞の生存率や増殖活性を評価するための代表的な比色分析法です。
本手法の原理は、生細胞のミトコンドリアに存在するコハク酸デヒドロゲナーゼ(SDH)が、添加されたMTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム臭化物)を水に不溶な紫青色のホルマザン(formazan)に還元し、細胞内に蓄積させるというものです。一方、死細胞にはこの還元活性がないため、ホルマザンは生成されません。
生成されたホルマザンはDMSO(ジメチルスルホキシド)により溶解され、その吸光度(一般に540 nmまたは720 nm)を酵素免疫測定装置で測定することで、生細胞の数を間接的に定量化することができます。一定範囲内では、ホルマザン生成量は細胞数と正の相関を示します。
MTT法は、以下のような用途で広く利用されています:
生物活性因子の活性評価
抗腫瘍薬のハイスループットスクリーニング
細胞毒性評価(IC₅₀の算出など)
腫瘍細胞の放射線感受性試験 など
CCK-8キットは、細胞増殖および細胞毒性の評価に広く用いられている、高速かつ高感度な比色定量用キットです。
本キットは、WST-8(2-(2-メトキシ-4-ニトロフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム一ナトリウム塩)に基づいて設計されており、電子カップリング剤の存在下で、ミトコンドリア内の脱水素酵素により高水溶性の黄色ホルマザンに還元されます。
生成されたホルマザンの吸光度(OD値)は、細胞の増殖量と正の相関関係を示し、細胞毒性とは反比例の関係にあります。測定にはELISAリーダーを用い、450 nm波長で吸光度を定量します。これにより、生細胞数を間接的に精度高く把握することが可能です。
細胞増殖評価
細胞毒性試験(IC₅₀測定など)
抗腫瘍薬のスクリーニング(ハイスループット対応)
生理活性因子の作用評価
腫瘍薬剤感受性の解析 など
CCK-8は、MTT法よりも操作が簡便で、毒性が低く、高い再現性と感度を持つため、近年ますます多くの研究分野で採用されています。