ノックアウトマウスとは、既存の遺伝子を置き換えたり破壊したりすることで、既存の遺伝子を不活性化またはノックアウトした遺伝子組換えマウスである。
3000系統以上のKO生体マウス、16000系統以上のKO/cKOマウス、
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1.Targeting Vectorを作製する
ノックアウトする遺伝子を決定した後、Targeting Vectorを作製する。Targeting Vectorを作製する方法はゲノミックDNAを選別しベクターに組み込み、またはPCR法で目的遺伝子を増幅しベクターに入れる。
2.相同組み換えES細胞を得る
得たTargeting VectorをES細胞(胚胎幹細胞)に導入し、相同組換えが完成した細胞を選別(クローン化)する。そして、相同組み換えがした細胞を胚盤胞に入れて1固体を形成させる。この工程でどんな細胞にもなれるES細胞を用いる。
3.キメラマウスを作製する
クローン化したES細胞胞を胚盤に注射する。この胚盤胞をマウスの子宮にいれ、着床してキメラマウスになる。
4.キメラマウスと野生型マウスを交配させる
完全なノックアウトマウスを得るために、野生型マウスとキメラマウスを交配させ、ヘテロ欠損マウスを作る。これらのヘテロ欠損マウスを兄妹交配させることにより、ホモノックアウトマウスを取得できる。
弊社のノックアウトマウスモデルサービスはES細胞を用いた遺伝子ターゲティング - TurboKnockout®とCRISPR/Cas9技術でのノックアウトが含まれる。
これは弊社の独自の株化細胞構築と遺伝子改変技術で、遺伝優勢のあるTurboKnockout® 株化ES細胞を作り、マイクロインジェクションを通じて、内因性のES細胞を100%のTurboKnockout® ES細胞に組み替える。キメラマウス段階が不要で、直接にTurboKnockout® マウスが得られる特許技術である。
TurboKnockout®遺伝子ターゲティング技術でノックアウトマウスを作製する流れ:
ターゲット遺伝子の情報分析を行う。遺伝子構造、遺伝子座周囲の遺伝子、既知のターゲット動物モデルなどを含む。
ターゲットES細胞のPCRスクリーニング及びサザンブロット法の確認を含んだ遺伝子ターゲティング案を作成する。
確認及び同意のため、お客様に計画案を提出する。
ターゲティングベクターにホモロジーアームと一致するDNAフラグメントをクローニングする。
制限酵素とシークエンシングで最後にターゲティングベクター構築を確認する。
エレクトロポレーションでターゲティングベクターをTurboKnockout®スーパーES細胞に送り込み、薬剤耐性遺伝子による選別を行う。一般的に、弊社のES細胞はC57BL/6菌株に由来する。また、弊社もBALB/cの誘導したES細胞を使用してサービスを提供する。
ターゲットES細胞のPCRスクリーニングを行う。
サザンブロット法の確認に続いて、PCR陽性クローンを増殖させる。
正しい染色体数を保証するため、ES細胞核型分析を行う。
ES細胞を偽妊娠マウスに移植する。F0は100%TurboKnockout®ES細胞から由来したヘテロマウスとなる。
変異状態を保証するため、ファウンダーのPCR検定を行う。
ヌクレアーゼを用いたゲノム編集技術(特にCRISPR/Cas9)は、従来のES細胞を用いた相同組み換えに基づくノックアウト動物作製に取って代わる新技術である。マウスゲノムの特定部位を標的とするようデザインされたgRNAとCas9を同時に受精卵へインジェクションすると、標的部位で切断が起き、修復が不完全となると挿入または欠失が生じる。切断部位が、遺伝子のコード領域にある場合、下流でフレームシフト突然変異が発生し、ノックアウトとなる。重要なドメインをコードとするエキソンを欠失させる場合は、エキソンの上流と下流の部位を標的とする2つのgRNAとCas9を同時にインジェクションする。そして、重要な領域を欠失させたノックアウトマウス系統を作製することができる。CRISPR/Cas9を利用したゲノム編集は最短3ヶ月という短期間で作製することができる。
CRISPR/Cas9ノックアウトマウスの作製流れ:
ノックアウトしたい遺伝子名称をご提供頂き、当社でヌクレアーゼを用いたストラテジーを作成する。これには、標的のヌクレアーゼ活性を最大化し、オフターゲット効果を最小限にする最適化されたアルゴリズムに基づいて、標的部位の選択も含まれている。また、ヌクレアーゼ発現ベクターをデザインする。ノックアウトする遺伝子については全て、確実に成功させるために少なくとも2つの標的部位に対するベクターをデザインする。そして、ファウンダーマウスのスクリーニングのため、PCRとシークエンシングに基づくジェノタイピング分析のデザインも行う。
ご希望のヌクレアーゼを発現するDNAベクターを作製する。必要に応じて、これらのベクターの有効性を細胞培養でテストする。
ヌクレアーゼ発現ベクターはin vitroで転写する。mRNA産物は人工的ポリアデニル化とキャップされ哺乳類細胞における適切な転写を容易にする。
in vitroで転写されたヌクアレーゼmRNAは受精卵にインジェクションされる。その受精卵は代理母に移植され、子孫を獲得する。ヌクレアーゼ発現ベクターを当社でデザイン・構築した場合、保証を満たすのに十分な数の受精卵もしくは標的にインジェクションする。ヌクレアーゼ発現ベクター(もしくはmRNA)をお客様にご提供いただく場合、少なくとも200〜300個の受精卵(株に基づく)へインジェクションし、ご希望の突然変異を持つファウンダーのスクリーニングを行う。ファウンダーが特定されない場合、追加料金をお支払いいただくことで、更に多くのインジェクションが可能である。
ノックアウトマウスのファウンダーであることを同定するためにPCRによるスクリーニングを行う。具体的には、ヌクレアーゼによって標的化される部位のPCRを拡大し、突然変異が起きているかどうかを明らかにするためPCR配列の判定を行う。少なくとも1本鎖遺伝子に対してフレームシフト欠失・挿入または重要なエキソンの欠失が起きたマウスは、ノックアウトファウンダーとみなされる。時々、二本鎖とも編集されたマウスを獲得する場合もある。
プロジェクトによっては、ファウンダーマウスが最終成果物となる。しかし、F1マウスの獲得がご希望の方も多くいらっしゃいます。当社では、野生型マウスと掛け合わせることのできる3匹のファウンダーマウスを繁殖する。そして、それらの子孫のジェノタイプを行い、ノックアウトされたF1マウスを得る。
以上はノックアウトマウスモデルサービスのご紹介です。
サイヤジェン株式会社について
サイヤジェン株式会社は15年間の発展を経て、全世界の数万人の科学研究者にサービスを提供しており、製品と技術は直接にCNS (Cell、Nature、Science)の定期刊を含む5,200余りの学術論文に応用されています。弊社の「ノックアウトマウスライブラリ」は低価格だけでなく、遺伝子名称を入力すれば、ワンクリックで注文まで操作できます。 ノックアウトマウス、ノックインマウス、コンディショナルノックアウトマウス、トランスジェニックマウス、GFPマウス、免疫不全マウス、無菌マウスなどのカスタマイズサービスを提供する以外、専門的な手術疾患モデルチームがあり、多種の複雑な小動物手術疾患モデルも提供できます。